神はサイコロを振らない?
実際はどうか知らないけれども,量子力学の世界では,神はサイコロを振ると考えられています.ていうか,結果が決まり切っている世界なんて,面白くないよね.
この本は,ビレッジバンガードに置いてあったので,ついつい手に取っちゃったんだけど,専門書というよりは読み物です.実際読んでみて,すごく面白かった.
シャノンやモールス,ボルツマンやベイズなど,偉大な先人たちが情報工学の分野にどのような貢献をしたかだとか,そういう歴史を知ることには,昔は全然興味がなかったんだけれど,最近は別に情報工学の分野に限ったことじゃないけど,歴史って面白いなーって思うようになった.というのも,先人たちの考え方や生き方には学ぶ点っていうのもいくつもあるし,それらを知ることで,その考え方のもとになるものを知れるような気がするから.
この本のテーマである,ザビッグクエスションの「ITはBITからなるか」とは何かってのはすごく奥が深い.実際,情報情報ってこれだけ叫ばれているにも関わらず,情報工学って胡散臭さの塊の気さえするのです.それは同時に,情報って分野の面白さを表していると思うんだけど.
実際,あんまり難しい話は出てこない(数式とかは一部出てくるけど)し,エントロピーとか確率とかランダムの話をすごく直感的に説明しているので,情報が専門じゃない人でも楽しめると思う.本の中で取り上げられている内容も,情報の話だけじゃなくて,モールス符号の割り当てがどのようにきまったかとか,クイズ番組でどのようにすれば商品を貰う確率が高くなるかとか,雑学っぽい内容も含まれているので面白い.
参加型の宇宙,楽しいじゃないですか.