Amazon怖い.何が怖いっていうと,「この商品を買った人は,こんなものも買っています」ってのが怖い.あれ,ついつい買っちゃうんだよね.
最近,ユーザビリティ関係の本ばかりを買っていたせいなのかどうなのか,私には判断しようがないのだが,こんな本が推薦されていた.
宣伝文句は「日本一わかりやすく,読みやすいコンピュータの本」だそうだ.
まぁ,実際読んでみた.読みやすい.それは間違いないと思う.
コンピュータサイエンスの分野で出てくる,エントロピーとか.情報量とか,標本化定理とか,有限のオートマトンとか,そういった基本を,例を出しながら説明してくれるので,なんとなくわかった気になってしまう本.
ただ,これって実は,ある程度情報の分野を学んだ人が読んだ方が面白いんじゃないか?って思った.「あぁ,これってこういうことなのね」って今更ながら思ったり,「いや,その説明はおかしいだろ?」って一人で突っ込んでしまったり,個人的には面白かった.
そもそも,情報を学んだことのない人が,この本を理解できるかは,謎です.コンピュータがプログラムを実行する方法を曖昧にしか説明してないのに,プログラムカウンタがいきなり出てくるところなんて,なかなか理解できないんじゃないかとか思う.まぁ,理にはかなってるし,他に良い方法があるか?って言われても思いつかないんだけど.
ただ.あとがきにも書いてあるように,コンピュータに興味の無かった人がこの本を手にしたことで,コンピュータって面白い!って思えるのなら,この本は良い本なんじゃないだろうか.いままであんまり考えたことなかったけど「本を書く」ってことにはビジョンが必要なんだな,と感じた.この本で読者に何を伝えたいか,何のために本を書くのか.「本を書く」ことに限ったことじゃないんだけど,何かをするためには常にビジョンを意識したいと思ったり.