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バイオリンと自転車をこよなく愛するkurのチラシの裏。たまには技術的なことを書いたりするかも知れません。

高専はすごいのでぜひ行ったほうがいい

高専ってすごい! 情報工学を体系的に学ぶために高専でやってきたことをまとめる。 - nigoblog

高専はすごいかも知れないが行くのは止めておいたほうがいい - 下林明正のブログ

僕は高専卒だ。そしてエンジニアとして働いている。

僕は高専は素晴らしいところだと思うし、もの作りに興味を持つ中学生はぜひとも一度進学を検討して欲しいと思っているというのが本音だ。上記のようなエントリーをみて技術に情熱を燃やす中学生が高専を受験しないでおこうと思ってしまうと心が痛むので、行くのを検討すべきだと考える理由を書いてみようと思う。

先ず一つ目、クラスが5年間固定であること。

これがどういうことかと言うと、固定化された小さなコミュニティの中で多感な時期を過ごすということだ。 高専には変人が多い。変人とはよく言えば個性的な人だ。そういった人と深くつきあおうと思ったら5年間は想像以上に短い。例えば僕は、最初から同じクラスに居たにも関わらず、入学後数年経ってから急激に仲良くなり、卒業後の今でも親友と呼べるような人が何人もいる。毎年クラス替えなんかがあったら、彼の素晴らしさに気がつかずに卒業し、2度と会うこともなかっただろう。そして、これには僕も助けられたところがあるのだが、変な人が多いということは、飛び抜けて変なぐらいじゃないと誰も気にしないし、むしろ変であることが尊敬される。普通の高校に行ったら間違いなくいじめの対象になってそうな奴らが、周りから尊敬され、毎日を楽しそうに過ごしている。だいたい新しい仲間を見つけたければ、部活やバイトがあるし、今の時代はSNSだって出会いの場となるだろう。高専では高専でしか出会えない素晴らしい友達を作れば良い。

結果として、毎年4月を迎えるたびに新たな人間関係をゼロから構築する必要がなく、その労力を勉学に向けることができる。薄く広く、多くの人とコミュニケーションを行う能力を得ることは難しいかもしれないが、そんなものは学外や卒業後に好きなだけやれば良い。個性的な人と自由自在にコミュニケーションが取れることって社会に出たら多分すごく重要だ。

次に二つ目、技術を馬鹿にする(既存技術の課題を明らかにし、新しい技術を作る)風潮が蔓延していること。

これはもしかしたら僕の母校だけの問題かも知れないが、とはいえどこもそんなものだと聞いたような覚えがある。偏差値の低い高専だからそうなのだと思われるかも知れないが、僕の通っていた高専はそこまで低いわけではない。

高専は、エンジニアを養成することを目的とした教育機関である。エンジニアであるからには、既存の技術を盲目的に崇拝して使いこなすだけではどうしよもうない。つまり時には既存の技術の課題を明らかにし(極端に言えば馬鹿にし)て改良し、新しい技術や製品を作り出していくことが求められている。

高専の学生は5年生になると研究室に配属され、卒業研究を行う。そこでは、指導教官から課題が与えられ研究に取り組む。この過程の中では、既存の技術の課題を抽出し、どうすればその課題を解決することができるか考え、実験を通して新しい技術の価値を検証したりする。

考えてみれば、いくらただの高校生っぽい連中とはいえ5年間も技術技術と詰め込めば、立派なエンジニアの端くれである。しかも、高専には無駄に偏差値の高い人間が集まっている。やる気が偏差値に現れてるわけではないが、勉学に対する姿勢はある程度偏差値に表れるものだろう。大部分の人間は真摯に学んでいる。新しい技術を作り出すなんて朝飯前なのだ。もちろん、就職が楽そうだからとか、そんな理由のヤツらも多い。

そうした環境に5年間も身を起き続けたら、技術に対する情熱はどんどん高まり、ちょっとおかしくなってしまう。

まとめると、高専にいると、技術力が高く、世間一般では変人と言われるような個性的な人たちと容易に仲良くなれるコミュニケーション能力のある人間だとか、そういうろくでもない人格が形成されてしまうリスクが高いということだ。

結局のところ自分語りのようになってしまい申し訳ないけど、少なくとも僕はそういう感じだった。それに喜びを覚えて、ついつい高専の専攻科にまで進学してしまったこともあった。まあ、単純に頭が悪かったというのもあるけど。それでも毎日が非常に楽しくて、涙を流しながら卒業した。

そういうわけで、僕は高専をおすすめする。 講義の内容も良いし、人格形成にもよい影響がある。 君が中学生なら悪いことは言わない。高専に進学して、新しい技術や製品を作りなさい。その情熱を大切にして欲しい。卒業後は就職しても良いし、大学や大学院に行って、その時更に深めてもいい。どうしても合わないと思ったら、高専3年で退学すれば高卒資格をもらえるので、大学に行くという選択肢もある。

とはいえ、高専に行こうなんて考えてるヤツらはどうやら全員視野狭窄に陥っているヤツらばかりのようで、こんなエントリを書こうがまったく関係ないだろう。