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バイオリンと山、自転車をこよなく愛するkurのチラシの裏。たまには技術的なことを書いたりするかも知れません。

演奏会への来場者を増やす2つの方法

どうやったら演奏会に多くのお客様が来て頂けるかを考えてみると、大きく分けて次の2つの方法があるんじゃないかと思った。

  • 演奏会の露出を増やす
  • 演奏会来場プロセスにおける各ステップを改善する

前者は当たり前すぎる話なので、このエントリでは主に後者について書こうと思う。

マーケティングだとか、ユーザエクスペリエンスの話をするときに、ユーザにとっての商品との関わり方のライフサイクルみたいな話をすることがある。どういうことかって言うと、お客様に商品を購入していただくまでには、様々なステップがあって各ステップにおいて多くの機会を損失している可能性がある。だから各ステップを改善することによって、最終的なゴールであるところの商品購入率を増やすことが出来ますよねー、みたいな話。

オーケストラの演奏会にお客さんが来るまでに、どういうプロセスがあるかを考えてみたところ、大きく分けて「認知」「興味」「決心」「来場」あたりだと思った。「認知」とはインターネットやチラシ、その他各種媒体を見て、演奏会の存在を知ること。「興味」とは、演奏会の存在を知った人が「この演奏会、面白そうだな」と思うこと。「決心」とは「この演奏会に行こう」と思うこと。そして最後に「来場」が演奏会に実際に来てくださる人のこと。ちなみに、この各ステップの名前は私が勝手に考えたので、もしかしたらもっと良い名前があるかも知れない。

一般的に「興味」を持ってくださる人の数は「認知」してくださる人の数よりも少ないし、「決心」してくださる人の数は「興味」を抱いてくださる人の数よりも少なく、「来場」してくださる人の数は「決心」してくださる人の数よりも少ない。何故なら演奏会のことを知ったからと言って演奏会に興味を持つかは別問題だし、演奏会に興味を持ったからと言って実際に行こうと思うかは別問題だし、演奏会に行くことを決心したからと言って当日演奏会会場まで足を運んでくださるまだには様々なハードルがあるのが普通だと思う。

このことをグラフにしたら下記のようになる。

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数字は適当だけど例えば、チラシによって演奏会のことを知った100人のうち80人が演奏会に興味を持ったとする。演奏会に興味を持ったものの、その日に他の予定があったり、演奏会場が遠かったりなどの理由で、実際に演奏会に行こうと決心するのは80人中60人だとする。ところが、一度は演奏会に行こうと決心したものの、演奏会の存在を忘れていたり、他のもっと面白そうな予定が出来たり、家を出たは良いものの道に迷って会場まで辿り着けなかったりして、実際に来場してくださった人は60人中40人だとする。

だからなんだ、と思うかも知れないが、これは「どうすれば多くのお客さんに来てもらえるか?」を考える大きな材料になる。例えば今の倍、つまり80人のお客さんを呼ぶにはどうすればよいか?前提として、演奏会の内容やチラシの内容が同じであれば、各プロセスにおける人数の減り方も大体同じだと考えるならば、80人のお客さんに来場してもらうためには、120人に決心していただく必要があり、そのためには160人に興味を持っていただく必要がある。そしてそのためには200人に演奏会のことを知ってもらえればよいことになる。

来場してくださる方を増やすためには他の方法もある。例えば、各ステップで減る人の数を少なくできないか?を考えることである。もっと多くの割合の人に興味を持ってもらうことは出来ないか?もっと多くの割合の人に決心してもらえないか?もっと多くの割合の人に来場してもらえないか?と考えることが出来る。この場合、それぞれのステップで人が減ってしまう原因を予想して、手を打つ必要がある。本来ならきちんとデータを取ってしっかり分析するべきなんだけど、1回限りの演奏会でそこまで厳密に分析するのは現実的では内容に思う。

つまり、演奏会に来て下さるお客さんを増やすためには演奏会の露出を増やす方法と、演奏会来場プロセスにおける各ステップを改善する方法がある。一般に、露出を増やすには多くのコストが掛かるが、各ステップの改善にはあまりコストが掛からない場合が多いが、それでもそもそもの露出がある程度ない状態では改善したところで限界があるので、露出を増やしながら各ステップの改善を行う必要があると思う。あと、この記事ではちょっと乱暴にお客さん候補を1つのクラスタで考えてしまったけど、実際には様々な属性を持つ人が居る。例えば演奏者の知り合いと、そうでない場合では、各ステップでの人数の減り方が異なってくると思う。