またもや,ノーマン先生本.
前作である,誰のためのデザイン?では徹底的にユーザビリティについて論じていたのだが,デザインを考えるときに使い勝手も大事であるが,楽しさという要素も必要である.と,説いた本.
デザインを論理的に考えて,使い勝手,機能,形態を考えると,確かに使いやすくて素晴らしい製品はできるかもしれないが,そのような製品は,とてもつまらないものになるかもしれない.製品には芸術性,魅力,美しさというのも備わっているべきだと言うもの.
まず,美的に魅力的な製品を使うことで,仕事の効率があがるということが実験的にわかっている.
たとえば,私の経験に当てはめてみると,車を洗車した後は良い気分で運転ができる.本来,車なんてものは移動するための道具であるから,居住性が運転に影響することはあっても,外見は使い勝手に影響しなさそうであるのに,美しいもののほうが運転が気持ちよくできるのである.
この本では,思わずほしくなるような,感情に訴えるデザインについて分析を行っている.
実際に,インタフェースをデザインするときには,使い勝手は大事であるけれども,人が使う以上「美しさ」にも気を使う必要がある.と,まぁそういう本.
追記:私のイメージに近いことを,すごくわかりやすく書いておられる記事を見かけたので勝手にリンクしてみる.「最適化」を「ユーザビリティ」と,「ブランディング」を「美しさ」と置き換えてもらえば,意味が通ると思う.
しかし,ユーザビリティはある程度は定量的に評価できても,美しさとか,楽しさを定量的に評価するのって難しいなぁ….