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kur.jp

バイオリンと自転車をこよなく愛するkurのチラシの裏。たまには技術的なことを書いたりするかも知れません。

ダイアモンドを売りつけられそうになった話

マルチ商法に関する俺の体験談を書く」を読んで思い出したので、オチもない面白くも何ともない話だけどダイアモンドを売りつけられそうになった話を書く。

流れとしてはアンケートに答えたら女の子から電話がかかってきて店に呼び出されてダイアモンドの購入を勧められるという、非常に典型的すぎる営業手法だった。

私の場合は、アンケートに答えた時点で、なんかおかしいなと思って、あえて何も知らない振りをしてみたんだけど、ネットで情報を検索してると、同じような手法でダイアモンドを売りつけられてしまった人が結構居るみたいだ。

結婚に関する意識調査の街頭アンケートにつかまる

高専時代の先輩と、その先輩の友達と、焼肉を食べようぜーって話になった時、待ち合わせの駅前で時間を潰していたら、ちょっと可愛い女性から街頭アンケートに協力して頂けませんかと頼まれた。場所は浜松町駅から大門の方面に歩いていく途中だった。待ち合わせの時間までは若干余裕があるし、早くついて特にすることがあるわけでもないので、アンケートに協力することにした。

アンケートの内容は結婚に関する意識調査だった。アンケートに答えながら、多少の世間話をした。年齢とか、独身かどうかとか、彼女が居るのかどうかとか、仕事してるのかどうかとか。そのアンケート用紙には連絡先を書く項目があった。

この時点で、なんとも言えぬ違和感を覚えた。なんというか、意識調査をするためにアンケートを取るのは、大学の卒業研究とかでもありえそうな話だけど、そこで電話番号やら個人情報を書かせることはほとんどないと思うからだ。だって必要ないし。アンケートとは言っているが、コレはこのあと営業が来るな、となんとなく考えてた。

書く必要があるのかを確認したところ、強制ではないが是非書いて欲しいとのことだったので、何か面白いことでもあったら良いなと思って、普段使っていない電話番号を書いておいた。

女の子からのお礼の電話がくる

数日後、アンケートをとっていた女性から電話があった。それによると、先日のお礼が言いたいとのこと。ここで強調されるのは、アンケートに答えてくれてる全員に電話をかけているわけではないこと。たまたま先日会った木浦さんが印象に強く残っており、もっと話がしたいと思ったから電話している、ということだった。この電話をかけてきた女の子を、以降、Mさんとする。

しばらく話をしていると、ケータイの電池が切れそうだから、一般電話からかけなおすと言われる。コレは毎回そうだったので、おそらくマニュアル化されてるんだと思う。思うに、通話料削減のためなのかもしれない。ちなみに、この時点でかなりの友達口調である。馴れ馴れしいにもほどがあるが、これはおそらく相手に親しみを持ってもらうために意図的にやっているんだと思う。

小一時間ほど世間話をしていたら、Mさんの仕事の話になった。Mさんの普段の仕事はダイアモンドの販売をしているそうだ。せっかくだから一度店に着て欲しいと言う。面白そうなので、了承し、その場で日時を決める。たまたまオーケストラの練習が午後からある日だったので、その前に30分ぐらい立ち寄ろうかなと考えて、11時を指定した。しかし、午後から予定があることを伝えるとMさんは「30分じゃ全然足らないよ。色々話がしたいことあるし4時間ぐらい欲しいな」と言う。

この時点で、長時間拘束されることが確定したわけですが、こんな面白そうな機会は滅多に無いと思うので、話をあわせておく。この際、「このこと、知り合いには言わないで欲しい」と念を押された。「知り合いに言うな」って言う時点で、怪しさ満点である。

ちなみに、指定された場所は外苑前にあるカラーズと言うお店だった。

お店に到着

約束の日の前の夜、リマインダの電話が掛かってくる。 内容は「今日は何してたの?とか明日の約束覚えてる?」とか他愛の無い話である。しかもご丁寧に、翌朝はモーニングコールまでしてくれるとのことであった。おそらく、店に来る約束だけしてすっぽかす客も相当数居るのだろう。

指定された外苑前駅から徒歩1分。ピンクの建物で非常に目立つ。店の中に入ると、まずコンプライアンスに関する説明を受ける。当店はお客様に信頼してもらうために色々やってるんですよーとかそんな話だった。

ダイアモンドを売りつけられそうになる

その後、ダイアモンドの話に。 まずは、ダイアモンドの基本について教えてもらう。4Cとかなんとかいう内容だった。私は、これまでダイアモンドにはほとんど興味が無く、4Cが何かさえ知らなかったので、色々勉強になったの事実である。良いダイアモンドと悪いダイアモンドを並べて、ここが違うんだとかも教えてもらって、非常に面白かった。

結婚にはお金が掛かるんだと言う話等も聞かされた。ダイアモンドを女性にプレゼントする意義とか、非常に男尊女卑に富んだ内容で、反論するのも面倒だったのでとりあえず同意しておいた。

そして気がつけば、結婚する予定が無くても、彼女すら居なくても、ダイアモンドを今から買って身につけておけと説得されていた。どうせ買うんだからいつ買っても同じだよとか、ずっと身につけていたダイアモンドを使って結婚指輪を作ると女性は喜びますよとか、結婚を考えていない人でもダイアモンドを購入する人が増えているよとか、そんな内容だった気がする。

今どれだけお金を使っているのかなどを聞かれていた。家賃がいくら、食費がいくら、使途不明金がいくらなど。これをこれだけ節約すれば、これぐらいのローンが組めますね、と言う話になっていた。ちなみに、私が薦められたダイアモンドは50万円ぐらいのものだった。

ダイアモンドを買うことで、長い間付き合えるお得意様になってほしい。 時間のあるときとか、ふらりと店に立ち寄って世間話だけしていくお客様も多いとか、ようするに今後も私と仲良くしたかったらダイアモンド買って欲しいなとか、そんな話になっていた。

後日、スーツを売りつけられそうになる

のらりくらりと受け答えしているうちに、次の約束が迫っていた。私がその旨を告げると、さすがに私にダイアモンドを打ち付けるのを諦めたのか、スーツ販売の案内をされる。 実は私、就職してからスーツを着る機会って片手で数えるほどしかなかったのだが、ここはせっかくなので話に乗らなければならないと思って、スーツ販売の営業を受けることにした。

別の日に指定された建物に行ってみる。先日、ダイアモンドの営業を受けた店舗とは違う建物で、雑居ビルの一室と言った感じの場所に、スーツ生地やら接客セット一式が置いてある。ちなみにこの日は、なんだか良くわからない理由で朝食までご馳走になってしまった。

朝食を食べた後、Mさんにスーツの案内をされる。取り扱っているスーツのブランドはErmenegildo Zegnaであった。しばらくすると、自称Ermenegildo Zegnaの中の人(30歳ぐらい男性)もその場に合流してきた。「手でつかんでクシャッとしても全然シワにならないんですよー」と実演してくれたが、今時そんなこと紳士服の青山ですら同じことやってくれるので、まったく驚きもない。というかそもそも、スーツの良し悪しってそれで決まるもんなの?

その後もスーツについて説明をされ、購入しませんか?とせまられるが「普段、スーツ着る機会が無いんですよねー。そもそも入社式以来着てないし」と言うと、さすがに相手も面食らった様子で、素直に引き下がって行った。というか、そこの部分の確認ってすごく大事だと思うんだけど、なんで最初に聞かなかったん?

というわけで、解放(というより、買う気なしと判断されて追い出された気がする)された。それ以降、何の連絡もない。

販売員の女性も大変そうだった

私を接客してくれた女の子は、18歳で高校を卒業したばかりだと言っていた。勤務時間は朝9時~夜11時まで、終電で帰ることも多いと言っていた。休日出社も多く、休みもほとんどないとのこと。給料は安く、毎日お弁当を作って持ってきているとのこと。お昼ごはんは職場に炊飯器があって、みんなで炊いているらしい。お米は従業員の中に実家が農家と言う人が居て、そこから送ってもらっているのだそう。給料が安いので当然のことながら勤務先の近くには住めない。毎日1時間半ほどかけて通勤しているのだそうだ。本当に頭が下がる。

どうでも良いが、私を接客してくれたMさんは岩手の八幡平市出身とのことだった。「岩手県といえば、宮沢賢治が有名だよね」と話を振ってみたところ、「私も尊敬しています。小学校に銅像がありましたよ!薪を背負って歩いてる奴!」と言われたが、それはたぶん二宮金次郎だ。もしかしたら地元岩手県では、宮沢賢治が薪を背負って歩いてるのかも知れないけど。

その反面、女性の上司を名乗る方は、都内にマンションを持ち、高級ブランドにも詳しく、それなりにというか、かなり出費の激しい生活をしているであろうことが、世間話の中から汲み取れた。このギャップが少し面白かった。

おわりに

実際にローンを組んで買った場合、その後どうなるのかはわからないが、それで幸せな人も居ると思うので、それはそれでいいんじゃないかとも思う。ただ、私の場合、必要ないものは買いたくないし、高価なものを買って身動きが取れない状態になりたくないという気持ちがある。

そもそも彼女達の話を聞いてもダイアモンドを購入したいというモチベーションがまったく沸かなかった。おそらくであるが、こういうお店でダイアモンドを購入する客と言うのは、多少なりとも販売員に情というか、下心があって購入を決定するんじゃないかなとか思った。

ちなみにその後、試しに営業の女の子にメールを送ってみるも、何の返信も無い。さすがに脈無しと判断されてしまったかもしれない。皆さんも、同様のシチュエーションにあったら十分にお気をつけ下さい。ネタとして楽しむ分には良いかも知れないけど、意志の弱い人ならダイアモンド買っちゃうんじゃないかと思う。