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kur.jp

バイオリンと自転車をこよなく愛するkurのチラシの裏。たまには技術的なことを書いたりするかも知れません。

企業の存在理由

先日,ドリコムの内藤さんとお話したときに,「フリー」と言う本が会話の中に出てきました.中身が気になったので,早速Amazonで買って読んでみました.

だけど,私はこの本を読んでいて,フリーに関係するビジネスよりも,もっと気になったことがありました.それは企業の存在理由に関することです.

企業の存在理由 = コミュニケーションコストの最小化

私は,この本の中に出てきた企業の存在理由に関する次の一節が凄く気になりました.

ノーベル経済学賞に輝くロナルド・コースは,企業の存在理由を,グループ内やグループ同士でかわすコミュニケーションにかかる間接コストを最小にするためだと説明した.ここで言うコミュニケーションとは主に,誰がどの仕事をしているか,誰が信用できるかなど,情報を処理しなければならないときの認知作業を指している.

もし世の中に企業という仕組みが無かったら,どうなるでしょうか.例えば,ものづくりという仕事の中に,どんな仕事があるか考えてみると,原材料の仕入れ,商品の製造,商品の販売など様々な仕事があります.一人で全部やろうとすると,非常に大変です.効率よくやろうと思ったら「他の人と組む」ということが考えられますが,色々と考えなければ多いことも多いです.

そもそも誰と組んで仕事をするか?にはじまり,どうやって仕事を進めるとか,いつ打ち合わせを行うかとか,報酬の分配をどうするかとか,仕事の本質ではないコミュニケーションのオーバヘッドがとても大きくなってしまいます.そこで,企業と言う枠組みの登場です.企業の枠組みの中で仕事をすることによって,コミュニケーションにかかるコストを小さくすることができます.

情報技術の発展によって,外部とのコミュニケーションコストが小さくなる

電報から電話へ,電話からEメールへ.そしてEメール登場後も様々なツールが登場しており,コミュニケーションコストは下がり続けています.「安すぎて気にならない」レベルになるのも,近いかもしれません.フリーの中でも,このように書かれています.

アイデアは究極の潤沢な商品で,伝達のための限界費用はゼロなのだ.

しかし,情報技術が普及しても,なかなか小さくならないコミュニケーションのコストがあります.それは,企業内におけるコミュニケーション,つまり内部コミュニケーションのコストです.

総コミュニケーションコスト=(内部+外部)コミュニケーションコスト

実は,社外とのコミュニケーションコストは確実に小さくなっているけど,社内のコミュニケーションコストは小さくなってないのです.社内のコミュニケーションコストとは,社内政治とか.タバコ部屋とか飲ミニュケーション等と表現されるアレです.このコストは,企業が大きくなればなるほど大きくなるように思います.そして,このコストは,情報技術が進んだ現在も,外部コミュニケーションコストに比べて,あまり小さくなっていないのです.

以前,誰かが「ベンチャーでは3日で出来ることが,大企業では3年経っても出来ない」と言っていましたが,本当にその通りだと思います.では,将来の企業の形は,どうなるのでしょうか?

みらいの会社のかたち

内部コミュニケーションコストを小さくするにはどうすれば良いのでしょうか?コミュニケーションの総コストは,各コミュニケーションのコスト×回数ですから,各コミュニケーションのコストか,回数を減らすことになります.

各コミュニケーションのコストを減らす方法としては,色々な方法が提案されているように思いますが,私は大企業においてこれらの方法が成功したというのを聞いたことがありません.

後者については,極論を言ってしまえば,会社に社長しか居なければ,内部コミュニケーションはゼロのはずです.とはいえ,一人で会社を運営するのは,現実的ではないでしょうから,数人~数十人が妥当なところなのでしょうか.私は,将来的に,この規模の会社の数が爆発的に増えるのではないかと思っています.

今後,「大きな会社がいくつかの会社と取引を行うビジネス」よりも「小さな会社が無数の会社と取引を行うビジネス」が当たり前になるのかもしれません.そうなれば,面白い会社が色々と出てくるんじゃないかと非常に楽しみでもあります.